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野口宇宙飛行士について 任務や訓練レポート、記者会見を紹介します
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野口宇宙飛行士訓練レポート 第17回
「打上げ前夜」

最終更新日:2005年7月13日

写真
打上げまであと1日
(写真提供:NASA)

ケネディ宇宙センター(KSC)に戻ってきました。台風一過と申しますが、ハリケーンが去ってフロリダらしい真夏の陽気が続いています。

前回、ターミナル・カウントダウン・デモンストレーション・テスト(Terminal Countdown Demonstration Test: TCDT)でここに来たのは5月の始めでした。延期をはさんで2ヶ月、その時とは比べられないほど機体もクルーも順調に仕上がって、まさに万全の体勢で明日の打上げを迎えることになりました。打上げまでのカウントダウンタイマーは11時間を指しているところです。

私がこのミッションにアサインされたのは2001年の4月でしたから、4年以上かけて訓練していたことになります。いよいよ本番だ、という高揚感はもちろんですが、同時にようやくここまでたどり着いたという感慨深さもあります。訓練開始以来178週、75回のNBL潜水試験、7名のクルーの合計訓練時間は実に38,099時間を数え、シャトル飛行訓練としての最長記録となりました。

STS-114は、コロンビア事故の前後で全く性格の違うミッションになりましたし、さらにここ数ヶ月は産みの苦しみにも似たジレンマとぎりぎりの決断の繰り返しでした。様々な困難を乗り越えて、よくここまでこぎ着けたものだという満足感は、恐らく宇宙飛行士だけでなくこのミッションに関わった全ての人々に共通する思いでしょう。そしてもうひとつの共通した思いは、"It is time to fly!(時は熟した、今こそ飛ぶ時だ)”ではないでしょうか。長い時間かけて準備をして、後はいよいよ実行あるのみです。

写真:クリックすると拡大します
記者会見で意気込みを伝える野口宇宙飛行士
(写真提供:NASA)

私の拙い訓練レポートも、今回でおしまいです。最後は、私の大好きな槇原敬之さんの詩の一節を、ちょっとアレンジさせていただいて締めくくりとしたいと思います。

自分の言葉だけを 信じ続けてた
この静かな旅は もうすぐ終わる
「夢」をひとつ胸に かかげて行こう
後に続くみんなの 光になるから

2005.7.12
ケネディ宇宙センターにて
STS-114 MS1/EV1
野口 聡一

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