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野口宇宙飛行士について 任務や訓練レポート、記者会見を紹介します
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NASDAiで記者会見(2003年7月7日)

7月7日(月)、宇宙開発事業団東京事務所(東京都港区浜松町)NASDAiにて、ヒューストンから1年半ぶりに帰国した野口宇宙飛行士がコロンビア事故以降の訓練等の状況報告のため、記者会見を行いました。

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野口宇宙飛行士 取材陣

記者会見の冒頭、野口宇宙飛行士は集まった記者に対し、下記のように挨拶しました。

「コロンビア事故から5ヶ月、我々宇宙飛行士はまだ完全には事故の深い悲しみから立ち直ってはいないのですが、フライト再開に向けて努力しているところです。我々が搭乗するSTS-114は飛行再開第1号となります。我々クルー4名は、今月末に出るであろう『コロンビア号事故調査委員会(CAIB)』の最終報告を待ち、それを基に打上げに向けてのロードマップを作成し、具体的に訓練および打上げに向けたスケジュールを固めていきます。」

その後、野口宇宙飛行士は2種類の映像を示しながら、近況の活動を報告しました。

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野口: 「5月30日、米国に到着した、きぼう日本実験棟の船内実験室の受け入れ作業に立ち会いました。きぼうはまだ名古屋の工場で製作の段階から携わってきたので、いよいよ打上げが現実のものになるかと思うと、感激を新たにしました。」

野口: 「ミッションスペシャリスト訓練の一環として、NASA ジョンソン宇宙センターで、6月中旬にロボットアームの操縦訓練を行いました。また、バーチャルリアリティー(VR)を使っての訓練も行っています。VRを使っての訓練は、見た感じは最新のコンピュータゲーム程、本物そっくりではないのですが、ハンドレールの距離感などは非常に正確であり、国際宇宙ステーションで、ある地点からある地点にハンドレールを使って移動する技術を学ぶにはとても正確な訓練ができます。」

その後、野口宇宙飛行士は、プレスからの質問に答えました。主な回答内容をご紹介します。

野口:「飛行再開第1号となることに対する恐怖感については、今回のコロンビア号事故以降、事故対策はよりしっかりしたものになり、シャトルがこれまで以上に、より安全なものになるのは間違いない。我々はその安全を確信まで仕上げた上で、シャトルに乗り込むことになるであろう。」

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「STS-114ミッションでのタスクについてはCAIBによる最終報告の後に確定するが、大まかなタスクについては変らないであろう。予定通り、船外活動の主担当となるであろう。ただし、シャトルクルーについては、我々4名で変更は無いが、ステーションクルーはともに飛ぶ予定であったエド・ルー、ユーリ・マレンチェンコ宇宙飛行士は既にISSでの滞在を開始しており、一緒に飛ぶクルーはCAIBの最終報告以降、決まるであろう。」

「コロンビア事故以降の活動について報告します。事故直後は、宇宙飛行士室として遺族のサポートを最優先に活動してきました。その後、4月には事故原因究明のため、デブリ回収作業に参加しました。デブリを発見したときには、言葉に出来ないつらい思いを感じたが、その後には悲しみを乗り越え、宇宙飛行再開のために我々は何が出来るか考えなければという使命を感じました。幸い、私は次のフライトに搭乗予定でしたので、フライト再開に向けて協力していこうと感じました。」

「家族に対しては、事故直後からどう伝えればいいか、いろいろ考えましたが、宇宙飛行は子供たち自身の将来に向けての扉を開いていくものだ、ということを繰り返し話し、スペースシャトルがどのように改良されていくか、ひとつひとつ説明していきました。」

また、

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「国際宇宙ステーションのような、平和目的の国際プロジェクトで仕事が出来ることを光栄に思う。ISSの成果は、プロジェクト参加国のみならず世界中に広まっていくものである。そこに日本人メンバーとして携われることを幸せに思う。飛行再開に向けて、国籍を超え、”宇宙飛行士“として目的に向かって努力していきたい。」

と締めくくりました。

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