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STS-114 NASAステータスレポート #09

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米国中部夏時間2005年7月30日午後4時00分
日本時間2005年7月31日午前6時00分
ステータスレポート: STS-114-09

スペースシャトル「ディスカバリー号」は技術者により、これまでに収集されたデータと映像から機体の状態を分析した結果、耐熱タイルと断熱カバーは帰還に問題ないと報告されました。また、早い段階で特定された翼前縁の強化炭素複合材(Reinforced Carbon-Carbon: RCC)と、表面から突き出ているタイル間の詰め物(gap fillers)に関する分析は続けられています。航空力学の専門家は表面から突き出ているタイル間の詰め物を取り除く必要があるかどうかを判断するため、表面加熱への影響を評価しています。

本日、ミッション・マネージャは、国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングしたディスカバリー号の作業時間を確保するために、ミッション期間を1日延長することを決定しました。もし次回のスペースシャトルの打上げが遅れた場合に備えて、クルーはより多くの水と物資をISSに移送する作業に追われています。新たに、10 ガロン(約38リットル)の水がラップトップ・コ ンピュータや他の物資と共にISSへ移送されました。

野口聡一宇宙飛行士(JAXA)とスティーブン・ロビンソンは、スペースシャトルの熱防護システムの修理技術に関する実証試験と、ISSの姿勢制御システムの修理を完璧に行い、米国中部夏時間7月30日午前11時36分(日本時間7月31日午前1時36分)に、6時間50分におよぶ船外活動を無事終えました。

この修理技術に関する実証試験のためにディスカバリー号のペイロードベイ(貨物室)に搭載された耐熱タイルと強化炭素複合材(RCC)試料に関する作業を彼らは行いました。ふたりは軽微なタイルの損傷を補修する装置(Emmittance Wash Applicator: EWA)の試験と、RCC試料の補修を行うNOAX(Non-Oxide Adhesive Experimental: ノーアックス)の試験を行いました。

またふたりは、フライトデッキ後方からのアンドリュー・トーマスのモニタと支援により、船外保管プラットフォーム2(External Stowage Platform: ESP-2)の取り付け部の設置と配線の敷設を行った後、コントロール・モーメント・ジャイロ(Control Moment Gyroscopes: CMG)-2(4 基のジャイロスコープの1基で、1基の重量は600 ポンド(約272キログラム))の電力配線の切り替え作業を終えました。

CMG-2 自体は正常な状態ですが、電力ブレーカが今年3月に故障し、電力供給が出来なくなっていました。それ以来、ISSは、2基のCMGのみで運用を続けていました。米国中部夏時間7月30日午前9時20分(日本時間2004年7月31日午後11時20分)頃、再びCMG-2への電力供給が確認されたとミッション管制室からクルーに告げられました。計画通り、数時間後に、運用スピードである6,600rpmまで回転数を上げると、姿勢制御に組み込まれました。2002年に故障したもうひとつのジャイロスコープCMG-1は、8月1日に行われる予定の3回の船外活動のうちの2回目の船外活動時に交換される予定です。また彼らは、ISSの故障していたGPSアンテナも交換しました。

準備に遅れが生じたため、船外活動は、米国中部夏時間7月30日午前4時46分(日本時間同日午後6時46分)に開始されました。ISSコマンダーのセルゲイ・クリカレフとNASAサイエンスオフィサーのジョン・フィリップスは、「カナダアーム2」(ISSのロボットアーム)を野口宇宙飛行士とロビンソンの船外活動を支援するための位置に移動させました。ディスカバリー号のパイロットのジム・ケリーとミッション・スペシャリストのウエンディ・ローレンスは、ESP-2の取り付け機構(ESP Attachment Device: ESPAD)を取り付けるのを支援するためにカナダアーム2を操作しました。

船外活動クルーは、船外活動の終わりの方で、時間に余裕があったため、いくつか作業を前倒しで行いました。宇宙空間の厳しい真空と極度な温度環境にさまざまな試料サンプルを曝す2個の実験装置を回収しました。 野口宇宙飛行士は、ディスカバリー号の左舷キャビンの断熱材も撮影しました。

船外活動の準備のため閉じられていたディスカバリー号とISSの間のハッチが再び開かれると、船内に残されたクルーメンバの、コマンダーのアイリーン・コリンズ、ミッション・スペシャリストのチャールズ・カマーダは、スペースシャトル からISSへの物資移送を含む他の仕事を行いました。

これらの作業の合間に、ディスカバリー号の熱防護システムの追加検査が、スペースシャトルのロボットアームとセンサ付き検査用延長ブーム(Orbiter Boom Sensor System: OBSS)を使って行われました。ロボットアームを操作するケリーとカマーダは、ディスカバリー号の左翼前縁部の7箇所の関心を引くエリアに重点を絞って検査を行いました。

ディスカバリー号の打上げ時と打上げ後に撮影された多くの映像(本日実施された検査と同じように、先日実施された検査の情報を含む)の分析の結果、スペースシャトルが安全に帰還するうえで問題になる損傷は無かったことが明らかになりました。ディスカバリー号では、コロンビア号事故前までのミッションでの平均145ヵ所に対して約25ヵ所のくぼみが見つかっています。

次回のSTS-114ミッションステータスレポートはクルーの起床後、7月30日午後、または新規イベントがあれば発行する予定です。

出典:http://www.nasa.gov/returntoflight/news/STS-114-09.html

*併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。

最終更新日:2005年7月31日

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