STS-114 NASAステータスレポート #16
米国中部夏時間2005年8月2日午後11時00分 スペースシャトル「ディスカバリー号」のクルーは宇宙での第9日目を、今回のミッションで3回目になる船外活動の準備で始めました。今回の船外活動(extravehicular activity: EVA)は、元々のミッション活動の中で計画されていましたが、スペースシャトルの底面の耐熱タイルからはみ出している、タイルの隙間を埋める詰め物(gap fillers)2個を除去する新しい作業が追加されました。 ディスカバリー号のクルーは、米国中部夏時間8月2日午後10時09分(日本時間8月3日午後0時09分)に、スタートレックのエンタープライズ号のテーマ曲「Where My Heart Will Take Me」で起床しました。このデニス・マッカーシー作曲の音楽は、スペースシャトルプログラムの副マネージャのウェイン・ヘイルがクルーを驚かせるために選びました。国際宇宙ステーション(ISS)の第11次長期滞在クルーのセルゲイ・クリカレフとジョン・フィリップスはそれより30分遅く起床しました。 ミッション・スペシャリストのスティーブン・ロビンソンと野口聡一宇宙飛行士は、3回目の船外活動を同8月3日午前3時14分(同8月3日午後5時14分)に、スペースシャトルのエアロックから船外に出て開始する予定です。船内から船外活動を監視する船内(Intravehicular: IV)オフィサーのアンドリュー・トーマスと、この日1日、様々なロボットアーム作業を行って支援するパイロットのジェームス・ケリー、ミッション・スペシャリストのウェンディー・ローレンスとチャールズ・カマーダにより、2人の船外活動クルーは支援される予定です。 今回の船外活動は約7時間続く予定です。最初の作業では、ケリーとローレンスが、8月2日早くにディスカバリー号のペイロードベイ(貨物室)から取り出した船外保管プラットフォーム2(External Stowage Platform: ESP-2)をカナダアーム2でISS上に設置します。ESP-2が最終的な位置に到着すると、ロビンソンと野口宇宙飛行士がESP-2を誘導して固定します。この作業が終了すると、ローレンスとケリーはカナダアーム2を「歩行させての」移動を行い、固定されてない側の先端でモービル・ベース・システム(MBS)をつかみ、もう一方を「デスティニー」(米国実験棟)から離して、船外活動の後半でロビンソンが乗る足場として使えるようにします。 船外活動クルーは途中から別々の作業を行います。野口宇宙飛行士は材料曝露実験装置(Materials ISS Experiment: MISSE)-5の取り付けを行う予定です。これは宇宙空間で太陽電池サンプルの劣化を研究するための材料実験装置です。その後、野口宇宙飛行士は、ロビンソンが実施する最後の作業の支援に移る前に、RJMC (Rotary Joint Motor Controller)をISSのトラスから取り外す予定です。 一方、ケリーはカマーダと共に、センサ付き検査用延長ブーム(Orbiter Boom Sensor System: OBSS)を使って、スペースシャトルのペイロードベイ(貨物室)内にある熱防護システム(TPS)修理試験用サンプルの検査を行う予定です。その後、カマーダはクリカレフとフィリップスと共に、ディスカバリー号とISS内の補給品と機材の収納を続ける予定です。ディスカバリー号のコマンダーのアイリーン・コリンズは全ての作業をモニタして、監督する予定です。 ロビンソンは、カナダアーム2の先端に乗って、スペースシャトルの底面の耐熱タイルの間からはみ出ている、タイルの隙間を埋める詰め物2個の除去を行う予定です。まずは、詰め物をゆっくりと引き抜くことを試み、必要であれば、のこぎりで切り取ることになります。 この部分の詰め物は、高温のガスが耐熱タイルのすき間へ侵入するのを防ぐために使用されています。この詰め物はコーティングされたネクステル(Nextel)繊維の層からなり、通常は約0.020インチ(約0.5mm)の厚さです。この詰め物が飛び出していることは、飛行3日に、ディスカバリー号がISSに近づく際にランデブー・ピッチ・マヌーバを実施して撮影された画像から判明しました。 クルーは同8月3日午後2時09分(同8月4日午前4時09分)に就寝する予定です。 次回のSTS-114ミッションステータスレポートは8月3日朝、または新規イベントがあれば発行する予定です。 出典:http://www.nasa.gov/returntoflight/news/STS-114-16.html *併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。 最終更新日:2005年8月4日
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