第1回船外活動最終更新日:2005年4月14日 熱防護システム(TPS)の修理試験
スペースシャトルの熱防護システム(耐熱タイルと強化炭素複合材(Reinforced Carbon Carbon: RCC))の修理技術に関する1時間程度の簡単な試験を行います。ペイロードベイ(貨物室)内に設置された熱防護システム(Thermal Protection System: TPS)修理試験用サンプルボックス内の、損傷したタイルのサンプルと、クラック・くぼみが生じたRCCのサンプルを使って補修試験を行います。 野口宇宙飛行士は、小型の充填装置(Emmittance Wash Applicator: EWA)を使って灰色の補修剤をタイルの損傷部に塗る試験を行います。一方、ロビンソン宇宙飛行士は、クラックの生じたRCCのサンプルにNOAX(Non-Oxiden Adhesive Experimental: ノーアックス)と呼ばれる補修剤を塗り硬化させる試験を行います。 GPSアンテナ-2の交換
国際宇宙ステーション(ISS)の軌道・姿勢情報の取得にはGPS受信機が使われていますが、2004年末に、S0トラスに4基設置されているGPSアンテナのうちの1基(GPSアンテナ-2)が故障し、もう1基もトラブルを抱えています。軌道情報を取得するには1基でも可能ですが姿勢情報を取得するには3基が必要なことから船外活動で交換することになりました。本作業は野口宇宙飛行士が担当します。 船外保管プラットフォーム2(ESP-2)の取り付け準備
第3回船外活動で、スペースシャトルのペイロードベイ(貨物室)にある船外保管プラットフォーム2(External Stowage Platform: ESP-2)は、「クエスト」(ISSのエアロック)の外壁に取り付けられます。第1回船外活動では、ESP-2の取り付け準備作業を行います。 ESP-2に取り付けられているESP-2のエアロック取り付け機構(ESP Attachment Device: ESPAD)のアクティブ側(把持機構を有する側)をESP-2本体から取り外し、クエストのトラニオンピンへ取り付けます。 また、主系、冗長系のESP電力ケーブル2本をディスカバリー号のエアロックの横にある工具箱から持ち出して、主系ヒータケーブル(長さ約7m)を「ユニティ」(結合モジュール1)とクエスト間に仮敷設し、冗長系ヒータケーブル(長さ約15m)をS0トラスとクエスト間に仮敷設します。なお、この際、ケーブルをS0トラス内に通すため、クルーはS0トラス内に潜り込む形になります。これらは、第3回船外活動で、ESP-2を取り付けた後にケーブルのコネクタを結合し、作業が完了することになります。 CMG-2の復旧作業、CMG-1の交換作業の準備
コントロール・モーメント・ジャイロ-1(Control Moment Gyro: CMG-1)は2002年6月のUF-2フライト時に故障しました。2005年3月16日には、CMG-2に電力を供給するブレーカである遠隔電力制御モジュール(Remote Power Control Module: RPCM)が故障し、動作可能なCMGは4基のうち2基のみとなってしまいました。このため、Z1トラスの電力パッチパネルの簡単な電力配線の切り替え作業(約5分程度)を行い、CMG-2を再び使えるようにします。なお、故障したRPCMの交換は、将来の船外活動で改めて行われる予定です。 また、第2回船外活動でCMG-1の交換修理を行います。それに備えて、簡単な準備作業を行っておきます。第2回船外活動で使用する工具を作業場所近くに集めると共に、ユニティの左舷側上部にある外部照明とその支柱は、「カナダアーム2」(ISSのロボットアーム)と干渉する可能性があるため、1箇所のボルトを外して倒しておきます。 |