STS-114 NASAステータスレポート #01
米国中部夏時間2005年7月26日午前11時 スペースシャトル「ディスカバリー号」は晴れ渡ったフロリダの上空に打ち上がり、スペースシャトルの飛行が再開すると共に月や火星などの宇宙の旅が開始されました。 ディスカバリー号は順調なカウントダウンの後、米国中部夏時間7月26日午前9時39分(日本時間7月26日午後11時39分)打上げに成功しました。 打上げ後の11日間、ディスカバリー号の7人のクルーは、スペースシャトルの熱防護システムの点検と、損傷を修復する技術の検証や国際宇宙ステーション(ISS)の組み立てを行う予定です。 今日の打上げは、2003年2月のコロンビア号の事故以来のスペースシャトルの打上げとなりました。 ディスカバリー号の上昇時には、新たに追加、改良した地上のカメラやレーダ、および高度航空機用の空中カメラによって膨大なデータが記録されました。打上げ時の映像やセンサ付き検査用延長ブーム(OBSS)のカメラとレーザセンサによる点検、また翼前縁部に設置されている衝突センサからのデータを解析し、予定している帰還日である8月7日までにディスカバリー号の熱防護システムの安全性をミッションマネージャが検証し帰還に問題がないかどうかを調べます。 打上げから約9分後に、コマンダーのアイリーン・コリンズ、パイロットのジェームス・ケリー、ミッションスペシャリストの野口聡一(JAXA)、スティーブン・ロビンソン、アンドリュー・トーマス、ウェンディー・ローレンス、およびチャールズ・カマーダは、軌道に乗り、ペイロードベイ(貨物室)のドアを開ける準備と居住区画から道具を取り出しました。メインエンジン停止直後、野口宇宙飛行士とトーマスは、外部燃料タンク分離時の映像を撮影するために手持ちのビデオカメラとデジタルカメラを使用しました。その映像とディスカバリー号に結合していた外部燃料タンクの配管収納部に設置されたカメラからの映像は地上に送信され、そのデータを基にミッションマネージャと技術者は上昇後の外部燃料タンクの状態を分析する予定です。 クルーは8時間の就寝を始める前に米国中部夏時間7月26日午後4時前(日本時間7月27日午前5時前)に、ロボットアームの結合を解除して動作試験を行うことを計画しています。また、テレビ映像や大容量のデータを地上に送ることが出来るKuバンドアンテナと、ロボットアームに把持され、明日ディスカバリー号の翼前縁部を検査する50フィート(約15m)のセンサ付き検査用延長ブーム(OBSS)との間の間隔が確保されているかをロボットアームで点検します。ディスカバリー号の翼前縁部の検査では、打上げ時に何か問題や損傷が無かったかを調べます。 打上げ時、ISSはオーストラリアの西の南インド洋の225マイル(約362km)上空を通過しました。ディスカバリー号は米国中部夏時間7月28日午前6時18分(日本時間7月28日午後8時18分)に行われるISSとのドッキングに向けて追跡を開始しました。第11次長期滞在クルーのコマンダーのセルゲイ・クリカレフとフライトエンジニアのジョン・フィリップスは2002年11月25日以来初めてのスペースシャトルの到着のための準備を完了させました。 ディスカバリー号が28日の早朝、ISSに近づくとき、クリカレフとフィリップスは、デジタルカメラと高性能の800mmと400mmのレンズにより、ディスカバリー号の着陸脚ドアの周辺や耐熱タイルを撮影します。 ディスカバリー号のペイロードベイ(貨物室)に乗せられた多目的補給モジュール「ラファエロ」は、ISSにドッキングした後、約13.6トンの機器や物資を輸送します。 クルーは今夜遅く、米国中部夏時間午後11時39分(日本時間午後1時39分)、軌道上で第1日目の起床を行います。 次回のSTS-114ステータスレポートは、クルーの起床後、または新規イベントがあれば発行する予定です。 出典:http://www.nasa.gov/returntoflight/news/STS-114-01.html *併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。 最終更新日:2005年7月28日
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