このページの先頭です ヘッダーなどをとばして、このページの本文へ
最新情報 最新情報やプレスリリースをご覧いただけます
ここからサブメニュー ここから本文

2005年8月4日 フライトデイ(FD)10 首相官邸との交信

最終更新日:2005年8月5日

 

写真。クリックして拡大。

毛利宇宙飛行士(進行):ディスカバリー、こちら毛利です。アイリーン、聡一、偉大なミッション達成おめでとう。こちらには、小泉首相、中山大臣と中学生達がきています。
アイリーン、小泉首相に一言頂けますか?

コリンズ船長:宇宙ステーションへようこそ。実験モジュールから話しができて嬉しいです。

小泉総理:コリンズ船長、お疲れ様です。あなたは女性でありながら船長で、感心しています。特に才能、勇気、忍耐力、使命感、全てに置いてスペースウーマンならずスーパーウーマンですね。
ただただ、毎日テレビを見て感心しております。一番気を遣っている点は何ですか。

コリンズ船長:一番重要なことはスペースシャトルミッションを再開したということです。今回のフライトはとても重要なミッションです。

毛利宇宙飛行士(進行):聡一に代わってもらえますか。野口君お願いします。

野口宇宙飛行士: 毛利さん、小泉総理大臣、中山大臣、こんにちは。国際宇宙ステーションから野口です。

小泉総理: こんにちは。今、毎日テレビで見てますので、もう他人とは思えないですよ。
不思議なのはですね、宇宙で時速28,000kmで回っていると聞いています。新幹線が時速200km、飛行機が約800~900km、時速28,000kmなんてものは想像できない速度。地球一周90分かかると言っていますね。あの速いスピードで宇宙に出て良く仕事ができるなと思っているのですけど。あの宇宙空間というものは我々想像できないのですがどうなんですか。

野口宇宙飛行士: 総理大臣、今日はお時間をいただきありがとうございます。3回の船外活動が終わりましたけど、やはり一番最初に宇宙に出ていった時には、スピードはともかく、眼下に広がる地球の景色、それから、足下400km下に床があるわけです、そういう意味では本当に落ちてしまうのではないかという錯覚に最初、囚われましたけど、だんだん自分の体が無重力に慣れていくとですね、地球の周りを回っていくのが自分が星になったようで自然に感じられて、3回目の船外活動の時にはむしろ、地球をゆっくり眺めながら自分が星になって回っているんだという感覚に浸りながら仕事を楽しみました。

小泉総理: 船外活動中には、時速28,000kmという速度を感じないんですか。

野口宇宙飛行士: そうですね、むしろ地球がゆっくり回っている感じがありますので、地球と自分とスペースシャトルの3つが、どれも28,000kmで回っているんでしょうけれども、非常にゆっくりとした時間の中で仕事ができているなと、そういう感じがありました。

小泉総理: 地球は青かったと言いますが、本当に青いですか。

野口宇宙飛行士: 地球は青いですね。それから地球の青さもそうですけれども、宇宙の漆黒の暗さ、それから地球と宇宙の間の薄い大気のベールの何とも言えない淡い美しさというものがとても印象に残っています。

小泉総理: 時差ぼけというものはないのですか。睡眠薬を飲まなくてもよく眠れるのですか。

野口宇宙飛行士: 日中の時間は仕事が続いていますし、私の場合には3回船外活動がありましたので、就寝時間になりますとパタンと寝て、この辺の壁にですね寝袋を縛り付けてそのまま入ってすぐ寝てしまいます。

小泉総理: 私も宇宙ラーメンを試食してみましたけど、どうですか宇宙で食べて、美味しかったですか。

野口宇宙飛行士: 宇宙ラーメンは今回本当に楽しみにしていたもののひとつで、実は毛利宇宙飛行士も宇宙でラーメンを食べたいと以前からおっしゃっていましたから、一足お先に私がいただきましたけれども、びっくりするくらい地上でのラーメンの美味しさが再現されていて、実はこの後すぐにロシアモジュールの方に行って、現在ここにいる9名の宇宙飛行士、ロシア人も含めてみんなにスペースラーメンや日本のカレーを食べてもらうことになっていますので、そこでまた楽しい感想が聞けると思います。

小泉総理: お子さん達が沢山見えていますから、後はお子さん達に譲ります。

毛利宇宙飛行士(進行): 中山大臣もお見えですので、お話下さい。

コリンズ船長: 中山さん、こんにちは。国際宇宙ステーションへようこそ。

中山大臣: 文部科学大臣の中山成彬でございます。コリンズ船長、そして野口飛行士、本当にお疲れさまでございます。ずっとこちらから見ておりまして本当に素晴らしいなと思っていますが、特に野口宇宙飛行士、若い頃からの夢を果たされ、苦しい長い期間を経られて今回の3回の船外活動、本当に立派に果たされました。本当におめでとうございます。日本人としても本当に誇りに思います。
ところでそちらから見てて地球をどのように思われるのか、地球環境問題とかいろいろありますが、毛利宇宙飛行士も人生観が変わったと言われましたけれども、外から見て地球はどのような感じでございますか。是非、教えてください。

コリンズ船長:とても美しいです。日本を始め、いろいろな国が見えます。いかに大気が薄いかがわかります。これら、私達が持っているものを守らなくてはなりません。宇宙飛行士の目から見ると、限られた資源を将来の世代に残さなければならないことが実感できます。

中山大臣: ありがとうございます。野口宇宙飛行士の活躍は日本の若い世代、特に子ども達に大きな夢を与えましたけど、これからの日本の子ども達にチャレンジ精神を持って人生を生きて頂きたいと思っていますけれども、是非子ども達に対する野口さんのメッセージをお願い致します。

毛利宇宙飛行士: 野口君、子ども達が待っていますよ。最初の子どもをご紹介します。

向井君: 日本宇宙少年団の向井崇恭です。野口さん、初の宇宙飛行おめでとうございます。僕も将来、野口さんのように宇宙飛行士になりたいと思っています。野口さんも小さい頃から宇宙飛行士になりたかったそうですが、ここまでたどり着くには大変な努力が必要だったと思います。現在、宇宙に来てみてその努力が報われたと感じたのは、どんなときで、具体的にどんな気持ちがしたでしょうか。教えてください。

野口宇宙飛行士: 向井君、こんにちは。僕は本当に子どもの頃から宇宙に行きたいなと思っていたのですけれども、やはり最初にスペースシャトルが上がって、無重力状態になって窓の外を見たときに丸い地球が見えて、そこに人々が暮らしているということを感じた瞬間、ここまでやっと来れたなという気持ちになりました。確かに長い時間がかかりましたし、訓練も長かったですけれども、夢に向かって自分がやりたいと思ったことに向かってずっと頑張るっていうことは決して無駄にはならないし、その夢が叶ったときの喜びは本当に大きいと思います。だから向井君も自分がやりたいことを見つけて、それに向かって頑張ってください。

毛利宇宙飛行士(進行): 野口宇宙飛行士の中学校の後輩もいますので、質問します。

松田さん: 浜須賀中学校の松田愛といいます。こんにちは。 実は私が質問したかったことは向井君とほとんど同じなのですが、もうひとつ質問を用意してきました。野口さんのこれからのさらなる夢というものは何でしょうか。

野口宇宙飛行士: これから、国際宇宙ステーションでいろいろな活動が始まりますし、JAXAはこの後に「きぼう」モジュールという日本の実験モジュールを打ち上げることになっています。私も今回のこの経験を是非、活かして、「きぼう」モジュールの打上げに係わっていきたいと思っていますし、その先には月面ですとか、火星ですとか、人間が行ける所はまだまだ広がっていると思いますので、そういう活動にどんどん関わっていきたいなと思っています。

松田さん: ありがとうございました。

毛利宇宙飛行士(進行): アイリーン、最後に総理と大臣にメッセージはありますか。

コリンズ船長:たくさんあります。野口さんはファンタスティックなクルーで、3回の船外活動もファンタスティックな任務でした。彼は誇るべき仲間です。

毛利宇宙飛行士(進行):アイリーン、君は日本人形のようにとても美しいですね。
野口宇宙飛行士、子ども達が最後にエールを送りたいと言っていますので、これからかけ声をかけます。1,2,3。

子ども達全員: 野口さん、ありがとう。

 

▲このページの先頭へ
このページの本文はここまでこのページの先頭に戻る