2005年8月2日 フライトデイ(FD)8 共同記者会見質疑応答
最終更新日:2005年8月3日
Q.3回目のEVAでギャップフィラーの問題で、想定外の作業が入りましたが、ロビンソンさんをどう支援しますか。
1,2回目のEVAの感想も合わせてお聞きしたい。
A.1,2回目のEVAが終わったところで、非常に訓練通りの力が出せているなと、非常に良いチームに恵まれて良かったと思っています。
3回目、ロビンソン宇宙飛行士が歴史的なオービタの修理作業に入りますけれども、私は彼の支援をしたいと思います。特に何か異常が合った場合にもうひとりの宇宙飛行士が支援にすぐに駆け付けられることが大事ですので、そのようなことも考えながら作業にあたりたいと思います。
Q.初めての宇宙の感想を聞かせてください。
A.やっぱり、EVA中に見る地球の美しさって言うものは本当に、筆舌に尽くしがたいです。自分の下に地球が回っていて、頭の上には漆黒の宇宙が広がっているというところで作業できるのは本当に素晴らしい経験だと思っています。
Q.打上げの時に断熱材が落ちた結果、アトランティス以降の打上げが当面凍結されましたが、軌道上で聞かれてどう思いましたか。帰還について何か不安はありませんか。
A.そうですね。最初に聞いたときは少しびっくりしたんですけれども、我々の帰還に関しては全く問題は無いと、アトランティス以降に関してもできるだけ早く今回の断熱材の補修が終わってですね、特に我々JAXAは「きぼう」の打上げを控えていますので、「きぼう」の打上げに向けて早急にシャトルの再度の復活を期待したいと思っています。
Q.大変なスケジュールですが、宇宙で食事を楽しむ余裕はありましたでしょうか。
日本から持ち込んだインスタントラーメンなどの感想が有ったらお聞かせ下さい。
A.ラーメンは実は宇宙に来て2日目に食べました。日本で色んな人が研究してくれて、びっくりするくらい地球で食べるラーメンの味が再現されて、麺の味わいを堪能したところです。
実は他の日本人宇宙飛行士の人たちにも写真を送ったりしてですね、羨ましがられています。で、後勿論これ以外にもEVAが終わってからのことになりますけれども、9人全員で食事をする機会があります。そのときに、我々JAXAが提供する日本食をですね、宇宙で日本の味を味わって頂こうと、いろいろなものを持ち込んでいますので、そのときにみんなの感想をまた伺ってみたいと思っています。
Q.生活面で、地球で予想していたことと最も違ったことを何かエピソードが有れば教えてください。
A.今ここにきて8日目ですけれども、あっという間に新しい環境に慣れてしまうものだなということに驚いています。最初の内は頭の方に血が上ってぼーっとする感じが有ったんですけれでも、そういうのがとれると、無重力で暮らすのが当たり前というと言い過ぎですが、物がふわーと浮いている感じですとか、食事とか、睡眠とか、あっという間に無重力の環境に適応してしまっていることがとても不思議な感じがします。帰還したときに1Gの重力の生活に慣れるのが大変だったりするのかなーって思っています。
Q.ご家族と、日本国民にメッセージをお願いします。
A.本当に長い間かかりましたけれども、自分の夢だった宇宙飛行、それから船外活動を実現できて本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。
日本の皆さんにも宇宙ステーションの姿、それからスペースシャトルの帰還を是非見ていただいて、宇宙への夢を繋いでいただきたいなと思っています。
Q.先日後輩の山崎、星出宇宙飛行士たちに話を伺ったのですけれども、自分の後に続くこれからの宇宙飛行士たちに、メッセージをお願いします。
A.古川、星出、山崎さんらは、ヒューストンで頑張って訓練していますけれども、彼らが活躍するのはこのISSの長期滞在の場になりますので、我々は今一生懸命そのための舞台作りをしていると、この宇宙ステーションの生活の様子をいろいろ話して聞かせたいなと、そして彼らの準備の助けになれば良いなと思っています。
Q.3回目のEVAで突起物を取り除くという想定外の作業をされるわけですけれども、何か不安とかあるいは意気込みとかお聞かせ下さい。
A.1回目、2回目のEVAでも有りましたけれども、問題が発生したときにロビンソン宇宙飛行士と私と地上の運用チームで連携が非常にうまくいっているので、3回目の全く新しいタスクになっていますけれども、何か問題があってもEVAのチームとして、きっと良い成果を出せるんだろうなと、そういうことで逆に非常に期待しています。不安というものは全然無いですね。
Q.最近元気の無い日本の若者に是非、激励のメッセージをお願いします。
A.自分がやりたいことをしっかり見つけて、それに向けて突き進んでいくと、やりたいことに向かっている人生は決して無駄にならないと思いますので、皆そういう目標を早く見つけてください。
Q.2回目の船外活動の最後にハッチに入る前にかなりゆっくりされていたかと思うのですが、あれは写真撮影をされていたのでしょうか。またそのとき白い物体が上の方に飛んでいくのがこちらのモニタに映ったのですが、気づかれたでしょうか。
A.白い物体は気づかなかったですけれども、写真に関してはですね実はあまりニュースになっていませんが、今回初めてデジタルカメラを宇宙空間に持ち出しているんですね。フラッシュ撮影もできると聞くと当たり前のように思えますけど船外活動でデジタルカメラを出したのは今回が初めてで、そういう意味では大事な作業のひとつと考えて頂ければと思います。