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野口宇宙飛行士について 任務や訓練レポート、記者会見を紹介します
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宇宙手形

最終更新日:2006年4月19日

宇宙時代の表現の始まり

紀元前のヨーロッパの洞窟壁画には、当時の人々の「手形」が残されています。

これには狩猟に明け暮れ、夜の不安や死の恐怖に耐える中で、未知なる物への手を差し伸べる「手形」の跡は、人類最初の表現であるという見方があります。

今世紀は、人類が宇宙へ飛び出し活動する世紀です。

宇宙時代における人類の表現の始まりをスタートさせたいという想いから、宇宙に進出した人類の足跡・象徴として、「宇宙手形」を記録することにしました。

提案者

写真:クリックすると拡大します
米林雄一教授(東京藝術大学美術学部)

私達の「手」は、外界に働きかける唯一の機関です。私達の「手」の延長が道具となり、様々な機械となり、新しい情報を得、新しい世界を切り開いてきました。私達の日本語の「手」の付く言葉の多さからも理解できます。

「手探り」は未知なるものを知る手法の一つであり、「手配」は準備し、「手仕事」をつみかさねて「手柄」をたてる等人間の行為、行動に関わった言葉を生み出しています。

「手」は、計画立案から行動をおこし、結果を見極め評価する語源といえます。「手」をテーマに考えてみますと、紀元前の人類が洞窟画に残していますが、未知なるものへ人類が挑み、新しい世界観や宇宙観を持つことができます。そして何よりも今日はあらためて地球そのものを再評価し、未来へ夢を託す世紀なのです。

地上と宇宙空間の双方で自分の手をトレースし、絵や立体に取り込む共同アート・ワークショップを提案しました。

宇宙手形とは

宇宙飛行士がISS内で、白い紙に手をおきボールペンで手形をトレース(手の輪郭の跡)したもの。

準備から実現まで

2002年3月に予定されていたSTS-114ミッションで、野口宇宙飛行士に「宇宙手形」を実施してもらう予定でこの準備は進められていました。STS-114がコロンビア号事故の影響によりフライトが延期される中、地上での「手形ワークショップ」をおこない、野口さんのフライト成功を応援するなど地道な活動を続けていました。

Return To FlightとしてのSTS-114ミッションでは、スペースシャトル復帰のための仕事が最優先であるなか、「宇宙手形」について理解を示した野口宇宙飛行士が、プライベートな時間を融通して実施してくれました。

事実、フライトしてから13日目のお昼に手形が描かれました。 また、ISS上の野口宇宙飛行士から「手形ワークショップ」を実施した新潟県の小学校に向けて中越地震の復興を願う応援メッセージがメールにてISSから届けられました。

写真:野口宇宙飛行士の手形。クリックすると拡大します。

野口宇宙飛行士からのメッセージ

みなさんへ

宇宙からこんにちは!宇宙飛行士の野口聡一です。
私は今、国際宇宙ステーションで美しい地球をながめながらこのメールを送っています。今、日本は朝かな、それとも夜でしょうか?

新潟県川口町立泉水小学校・田麦山小学校・川口小学校のみなさん、それから長野県信濃町立柏原小学校・古間小学校・富士里小学校・野尻湖小学校・古海小学校のみなさん、中越地震で大変なめにあいましたネ。早くふっこうするよう祈っています。地上のみなさんと力をあわせて美しい地球をまもってゆきましょう。みなさんと手をつないでがんばりましょう。

小学校での手のワークショップは楽しかったかな?
ではまた、地球でお会いしましょう。

宇宙飛行士
野口 聡一

手形ワークショップ

子供たちと一緒に宇宙への想い未来への想いを「手形」にえがきました。
これは、旧石器時代の人類から現代の私たちまでの人類の歴史を顧み、これからの宇宙時代へ向けて「自分の手」をかざすつもりで行いました。

また、絵の一部に空欄を残し、野口宇宙飛行士の「宇宙手形」を追加で貼り付けられるようにしました。

プログラム

■ 第1部 「宇宙手形」

物を持ったり、つかんだりするほかに自分の気持ちを伝えることができる道具としての「手」。その手について、子供たちと一緒に寄せ書きをしました。いろんな手が集まった絵は、子供たちの心がたくさん集まった絵となりました。

スペースシャトルで国際宇宙ステーションに行く野口宇宙飛行士が無事宇宙にいけるように、また帰ってこられるよう祈りながら描きました。もしかしたら野口宇宙飛行士も宇宙で手の絵を描くかもしれません。そうなると、宇宙の野口宇宙飛行士の手とみんなの心の手は握手することになります。宇宙に思いをはせながら、楽しい芸術の時を過ごしました。

■ 第2部 「無重力の不思議な実験と映像を楽しむ」

地球から400km離れた宇宙を飛んでいる国際宇宙ステーション。国際宇宙ステーションの中は無重力の世界です。無重力ではどんな不思議なことが起こるのか、映像と実験を交えて紹介しました。また、野口宇宙飛行士が国際宇宙ステーションでどんなことをするのかも説明しました。

◆実績◆
徳島県 相生小学校
新潟県 泉水小学校・田麦山小学校・川口小学校
長野県 柏原小学校・古間小学校・富士里小学校・野尻湖小学校・古海小学校

徳島県 相生小学校

2004年秋に、当時5年生のみんなと宇宙手形をつくりました。1年後に野口宇宙飛行士の宇宙手形(コピー)が小学校に届き、みんなの手の上方に貼り付けて宇宙手形が完成しました!

写真:徳島県相生小学校の手形。クリックすると拡大します。写真:徳島県相生小学校の生徒達。写真:手形作成の様子。

新潟県 泉水小学校・田麦山小学校・川口小学校

2005年春に、4・5年生のみんなと宇宙手形をつくりました。半年後に野口宇宙飛行士の宇宙手形(コピー)が小学校に届き、みんなの手の上方に貼り付けて宇宙手形が完成しました!

写真:手形作成の様子。写真:作成した宇宙手形。クリックすると拡大します。写真:手形作成の様子。写真:作成した宇宙手形。クリックすると拡大します。

長野県 柏原小学校・古間小学校・富士里小学校・野尻湖小学校・古海小学校

2005年春に、4・5年生のみんなと 宇宙手形をつくりました。

写真:手形作成の様子。写真:手形作成の様子。写真:手形作成の様子。
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